2.ミュージカル映画は意外とすきで、最近のディズニーのミュージカルアニメもみてます。とくにファンタジーということで、ミュージカルさに不自然さがないのがよかったと思います。ウェストサイドやサウンドオブミュージックはそれぞれはよくできていますが、描かれている状況が状況だけに不自然です。で、男やもめの貧乏発明家、カラクタン・ポッツ(名前も妙。およそ名家の出とも思えない)の彼なりの男の哲学が現代でも共感できます。子供たちの普段の格好は、お世辞にも良いなりとはいえなし。(すす汚れている演出もぐー)。で、貧乏だけども意地もあるし・・・とにかく、子供たちを愛している。やさしい父親像が素敵ですね。OO7の作者、イアン・フレミングが書き、OO7のスタッフが映画化したことはあまりにも有名ですが・・・・後世に残る名画だと思います。キャラクタで憎めないのは、ゲルト・フレーベ(Mr.ゴールド・フィンガー)演じるボンバースト男爵。そして、ポッツのお父さん。公衆電話BOXなみの研究室にこもるへんくつさも面白い。大手のお菓子メーカーのご令嬢に恋をするも、現実もみれる彼はバカな行動はしない。けれど両思いだったので救われたようです。まあ、おとっつあんがつかえた将軍が社長ってオチも当時が戦争があたりまえにおこなわれていたことの象徴でしょうか・・・昔は戦争に行ったヒトでも、気楽なヒトは海外旅行程度にかんがえて長生きしたヒトもおり、昔の戦争は死ととなりあわせとはいってものんびりしとったようです。現代のような熾烈な戦争ではそういうことはもうありえないだろうけど・・・男は夢をもて!というポッツの言葉は力強かった。彼は、いくつものくだらないガラクタと呼ばれる発明で財産をつぶし貧乏暮らしをしていたが・・・もしかすると前の奥さんは逃げ出したのかもしれない。ほんの偶然で飴笛がペットフードで売り出せ財産がつくれる成功に、自身の目的とは違った形だったけど「自分の発明で財をなす」夢は果たせた彼はとてもほこらしげだった。きっと彼はこの後、成功しなくてもまた貧乏になったとしても、これを一生の宝にするに違いないと思う。OO7シリーズは戦いを描いて40年も続いているが、この映画は夢をたったの一度描いただけで、きっとOO7以上に万人に愛されていると思います。