1.《ネタバレ》 マドンナは池内淳子。
これは傑作。泣けたなぁ。最後の縁側のシーン。池内淳子親子を思いやる寅さん。自分では彼女を幸せにできないと自ら身を引くところはこれまでと違う落ち着いた味わい。再登場の志村喬が最後に博夫婦に会いに行くところも良かった。志村喬の寅さんへの説教「りんどうの花」。これを受け売りにする寅さんの口上が笑わせる。
本作で初代おいちゃん森川信が最後の出演となるのだが、まさか本当に死んでしまうとは思っていなかったのだろう。作品のいろんなところでおいちゃんの死を暗示させるセリフが多かったような気がする。「ばかだね~」「俺しらねぇよ」「まくら、さくら」など、最高です。寅さんの「きっちゃてんでこーしー」ってのも笑ったなぁ。寅さんと森川信の最後のドタバタ騒動。さくらの「母さん」の歌も泣けた。
寅さんの人柄をあらわす旅一座との交流もあって、見せ場てんこ盛りの一作。