1.《ネタバレ》 ジャームス・ハントとニキ・ラウダが戦った、熱いシーズン。
そして、あっけなく不可解だったニキのリタイア。
当時の富士スピードウエイで、体の芯まで雨に濡れて、震えながらレースのスタートを待っていた観客の多くは、レースをあきらめたラウダの態度に腹立ちさえ感じたものだ。
だが、ラウダの決断は勇気あるものだったと思う。
それが今、こうして映画になった。
キャストも演出も映像も素晴らしい。
76年のチャンピオンを諦め、エンツォから嫌われ77年のシリーズチャンピオンになるも、その年の最終戦ではフェラーリのシートに座らなかったラウダ。
76年のチャンピオンになるも、翌年は車の出来が悪かったこともありパッとした成績を挙げられなかったまま、しばらくしてF1を去ったハント。
二人の素晴らしいドライバーに感謝。
そして自分をタイムスリップさせてくれた、素晴らしい作品にも感謝。
…なのですが、とんでもない吹替えキャストや、意味あるの?と首をひねりたくなる有名人のコメントでこの映画をヒットに導こうとする配給会社の蛮勇には開いた口がふさがりません。
コミックス風のポスターを描いてもらうなら、村上もとかにお願いすべきでしょうが。