1.《ネタバレ》 大人になるのはとても大変だなと、本作を観て感じさせられました。
私も大学生の息子がおりますので、オリヴィアの立場、母親の葛藤やジレンマをそうそう、と肯きつつ観ることが出来ました。
子供が大事だし可愛いし、でもさっぱり言うとおりにしない子供達にストレス溜まるし。
母という役割以外の自分の気持ちも大事にしたいし、さりとて現実は時間もお金も余裕がない。
子育ての現実をここまでリアルに映画にしてくれた監督さんの努力と才能に拍手を贈りたいです。
そして秀逸なのは主人公メイソンの気持ちが、画面を通じてこちらにひしひしと伝わってきたことです。
物静かなメイソンがしっかり自分を持ちながら、しかし子供という立場で周りの大人に翻弄されていく。
せっかく出来た友達とも引越しなどで離されていく。
静かに育つべき子供時代の苦労がリアルに描かれています。
そしてこの作品の凄いところは、子供を綺麗な可愛いものとして描いていない。
大人もみんな自分勝手だけれど、子供だってゲームして勉強さぼったり、頼まれた家事をやっていなかったり。
親と子や祖母と孫と言えど、人と人の付き合いで、どちらが悪くてどちらが良いというものはありません。
そういう日常の真実を映画で表現できるんだと監督さんの力量に感服しています。
まだ2月ですが、私の今年一番の作品になりそうです。
もう一度観たい。