5.溝口健二というサディスティックな女性賛美者が、鯛のアラをすわぶるように二人の女の受難を愉しんでいる。 【火蛾】さん [DVD(邦画)] 10点(2015-12-18 21:18:06) |
4.《ネタバレ》 完璧。今で言えば芸能事務所のシンドイ話を見せられる感じ。ラストシーンだけでも素晴らしい(という言い方は、濃密な作品世界のラストシーンについにいたった感慨でもある)。新入り若尾文子の身代わりで辛い務めを引き受ける木暮実千代の笑みで終わる。乗り越えた笑みなのである、凄い。 長回しの溝口(宮川一夫カメラ)だが、畳の座位から立ち居への移行にアクション繋ぎが例外的に二三あってメリハリが導入される。日本家屋の襖や簾などの上下の線がフレーム内フレームとして頻繁に画面を、閉じられた謀略・欲望・権力の空間として現出させる。 【ひと3】さん [映画館(邦画)] 10点(2015-02-24 18:45:39) |
3.サクセスストーリーの要素あり、青春ドラマの要素ありで感動。祇園の昔の様子も垣間見れたし、これまで故黒川紀章氏のよき奥さんという印象の強かった若尾文子さんの若かりしころもチェックできました。あと印象に残るのは舞妓さんの色気(?)です。これが初めての鑑賞だった溝口健二作品でしたが、収穫の多い名作でした。 【kagrik】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2009-01-28 14:38:58) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 これ前から観たかった溝口作品の一つでこの度ようやく鑑賞。期待を裏切らない出来で大満足です。フジヤマ、ゲイシャガールと言われる日本の美しさの象徴京都の舞妓も華やかなばかりではないというお話。何といっても若尾文子が初々しくかわいい! 個人的にはもうちょっと後年のねっとりとした感じの頃が好きだけど、この役はこの頃の彼女ならでは。木暮実千代・進藤英太郎・浪花千栄子と名優たちの名演も見逃せない。 【バカ王子】さん [ビデオ(邦画)] 10点(2006-05-02 23:31:36) |
1.淀長さんもいう、、、「女を描いたら天才ですよ、溝口は」、、、多くの人たちも言う、「溝口の女の描き方は比類のないものだ、、、」、、、でも思うのだが、女のさがみたいなものは、ずっとずっと変わらないものなのだろうか。生物学的に女であると、感情も立ち居振る舞いも、必ずある姿をまとうようになるのだろうか。、、、僕はそんなことはないと思う。母性本能みたいなものが神話であるように、女がどのような感情を抱き、どのように振る舞うかということも、時代とともに変化すると僕は思うのだ。、、、、だから、淀長さんが想定しているのは大正、昭和の女ではないだろうか。、、、、だから、平成の女を引照基準にして見ると、溝口の映画は、女の世界が主題になっているようには見えない。、、、、この映画でも、木暮も若尾も、仕事を持つ女で、映画のテーマも、仕事と自分の個人的な感情の間での悩みであり、今の時代なら、この二人は男という設定の仕方にしても決して成り立たないわけではない。そして、木暮の親兄弟もいないという寂しさ、若尾にむける愛情は、木暮が女だから抱く感情だとは、今の時代なら、思えない。、、、、、、それにしても、木暮の住まいの玄関から右に出た長屋の通路の風情の美しいこと。その先の道路を歩く通行人、路上で花火をする子どもたち、僕たちの多くが見失ってしまった、かつての日本文化のたおやかなたたずまいが、ここになはしっかりと記録されている。 【王の七つの森】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2005-06-10 10:39:09) (良:2票) |