23.テレビ初放送時、何気なく見て翌日ディスクを買いに走った映画です。ディスクを入手して何度も何度も見返すと更に奥深い作品でした。清兵衛(真田広之)と朋江(宮沢りえ)の演技が素晴らしいのは言うに及ばず、もちろん中田豊太郎(大杉漣)、余吾善右衛門(田中泯)らも非常に奥深い演技を見せてくれます。また脇を固める幼い娘たちや小林稔侍、丹波哲郎、中村梅雀(「余吾を討ち取れ」と命令する人)らもイチイチ的確な配役で本当に恐れ入ります。 原作本と異なるという意見も見られますが、原作の美味しい部分を上手く取り込んであり、原作の雰囲気を損なわない程度に盛りだくさんに仕上げてあると思います。斬り合い、貧乏、子育て、恋心、仕事、上司など、色んな要素を上手く盛り付けつつもスッキリとまとまっていて、刀で斬り合う激動の時代の中で清兵衛と朋江の淡い恋心がとてもピュアに表現されています。泣けるよあんたら・・。 また、エピローグが蛇足だとおっしゃる方もいますが、私はあの音楽とナレーションがあって初めて彼(清兵衛)と家族の心情が観客にストレートに伝わると感じます。父は無駄死にしたけど間違いなく幸せであったと以登の口から発信することが重要で、特典(NHK特番)でも監督がおっしゃるように、戊辰戦争で結果的に賊軍扱いとなった顛末も含め「清兵衛の人生」がいかに不遇であったか、本来であれば坂本龍馬の思想のほうが清兵衛の性格的には合っていたと思いますがそれを主張することができない人生、しかしそれでもなお本人は幸せであったという考え方をエピローグできちんと語り切りますので、やはり非常に重要なパートだったと思います。(藤沢周平らしさは薄れてしまいましたが) 刀での斬り合いという意味での完成度も高く、今まで時代劇や戦国ドラマを見ても刃物で斬り合いをしているという事実にピンと来なかったものですが、この映画を見て初めて「斬り合う恐怖」を実感しました。自分があの時代に生きていたら誰に罵られようが絶対に百姓か商人がイイ。武士の人生は地獄だろうなと改めて恐怖を感じました。時代物(邦画)としては異例の完成度で、間違いなく世界に通用するレベルの映画に仕上がっています。「あんた表面的にしか判ってないなあ」と言われるかもしれませんが、たった150年ほど前の古き良き日本人の振る舞いが感じられただけでも本当に素晴らしい作品でした。 PS. DVDから買い直したブルーレイの画質が悪すぎるのには違う意味で泣けますた。(かなり悪いものの、DVDと比較すると明らかにBDのほうが綺麗なのが余計に泣けます、頼むよ松竹さん) 【アラジン2014】さん [地上波(邦画)] 10点(2024-11-10 15:41:11) |
22.すばらしい作品だった! 山田洋次監督ありがとう。 【へまち】さん [DVD(邦画)] 10点(2017-12-04 16:22:12) |
21.この映画は幕末の人びとの生活をよく表現していて、その時代の空気を少し感じれて良かった。 清兵衛の家禄が50石(月収約10万円)というような当時の年収など具体的に表現されているところもリアルを感じた。その他、着物や食事、子供達の遊び、論語の勉強、内職、餓死で川を流れている遺体、職場の 同僚が飲み屋でする会話など全てのシーンが興味深かった。 そして、娘を想ういい父親に真田広之がハマっていた。 最後の井上陽水の曲も良かったです。ああいう父親に自分もなりたい。 【キャメル】さん [DVD(邦画)] 10点(2015-04-02 03:26:36) |
20.涙ちょちょ切れました。下級武士の悲哀がよく伝わります。感心したのは宮沢りえの存在感です。子供達も良かったです。 【ジャッカルの目】さん [DVD(邦画)] 10点(2009-07-25 01:22:24) |
19.一番好きな邦画です。こういう作品を観ると、日本人に生まれて良かったなとしみじみ感じてしまいます。 【camel】さん [DVD(邦画)] 10点(2007-04-22 18:15:40) |
18.時代の変わり目である幕末に、出世を望まず、慎ましくも静かに家庭を守ろうとする清兵衛の姿は侍そのもの。普通に生きる事は難しい事です。また人並みの幸せを得ることも同様です。故に清兵衛は強いのでしょう。主演の二人の演技も、二人を囲んだ出演者の方々の演技も素晴らしかった。後、久々に丹波哲郎が話題作に出ていてんで嬉しかったです。 【流月】さん [映画館(字幕)] 10点(2005-05-03 05:00:25) |
17.監督の人柄が滲み出ている、優しさに溢れた映画だと思います。感動の押し付けではなく、一人の人間の生き様を淡々と見つめ続けた、文字通り近年稀に見る日本映画の傑作だと思います。無駄な人物は一人もいません。随所に見られる当時の人々の何気ない暮らしぶりも、計算し尽くされたカットなのだろうなと感じます。役者さんの演技も素晴らしい。一見地味な作品のようですが、こんなにも日本人らしい優しい映画が世界に認められたのは、誇らしいことだと思うのです。 |
16.傑作です。やっかみ?からか、いろいろと難癖つけてる人もいるけど、ラストの岸恵子さんの場面も、エピローグのようなもの、手紙の追伸にあたるもの。それにジックリ繰り返して見ると、一見余計に見えるあの場面に深い意味があるのがわかる。突っ放すように終わればいいというものじゃないのよ。 【ひろみつ】さん 10点(2004-02-29 00:43:25) (良:1票) |
15.《ネタバレ》 上意討ちで倒す相手にも正当な理由があった。不条理だ。しかし自分の仕官のためには仕方がない。本来罪のない者を討ち取った清兵衛だが、藩命で正当化された。 この映画は原作にない終わり方をする。私たちは、娘のナレーションの形で清兵衛が維新の時の戦いで、藩に殉じて死んだことを知らされる。維新後生き残って幸せな晩年を全うしたのではなかった。 上意討ちに含まれていた不条理に対してバランスが回復する、私はこの終わり方に満足だ。 現実の世の中はそうはいかない。不条理がまかり通り、バランスが回復しないままだ。この映画のように、タイムラグのなかでいつかは因果応報という具合になってほしいものだが・・・・ 【トンビの目】さん 10点(2004-02-27 05:58:34) |
14.文句なしでがんす。日本人の謙虚さとか、慎ましさとか、そういう美徳を実感できた。朋江と清兵衛との恋愛模様もいい感じでした。 【neozeon】さん 10点(2004-02-25 20:55:57) |
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13.観終わってからジンワリ感動しました。ああ~、清兵衛さんったら、なんだかとてもとても、母性本能をくすぐるのです。彼がお風呂にも入ってないのなら、私が隅から隅まで、洗ってさしあげたいし、着物が破れてるのなら、もちろん私が縫います、下手ですが。清兵衛さんっ、とてもステキ。 【okピーちゃん】さん 10点(2003-06-01 23:37:44) |
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11.二人ともふらふらになりながらも斬り合う最後の決闘シーン、人を斬った後の主人公の漂わす雰囲気、ハエが群がるほどに腐敗した死体、困窮した下級武士の生活の様子などなど、すべてにリアル。敵役もそれぞれ武士らしく、特に竹光とわかったときの余吾の反応に武士の誇りを感じました。個性豊かな登場人物、ところどころに織り込まれる美しい風景、中の世界にどっぷりとはまり込める素晴らしい映画でした。最後は感動で映画館で見ているにもかかわらず、不覚にも涙を流してしまいました。子役の女の子たちも可愛かったです。 【流れ星】さん 10点(2003-02-22 18:22:04) |
10.山田洋次監督初の時代劇ということだが、日本映画の良心作を作りつづけている第一人者だけあって、時代背景こそ違え、その手腕に揺るぎがない。時代劇の衣を纏ってるはいるが、やはり彼が終始一貫こだわり続けている“今”を描いている事になんら変わりがない。個々の豊かな人物像と、環境をとり巻く社会情勢の的確な描写。人が人を大切に思い遣る心の大切さを教えられ、見事な殺陣をも含めて、決して大仰でなく静かに、しかししっかりと地に足がついた演出はさすがだと思う。そして出演者のすべてが素晴らしく、ほとんど奇跡のような作品だと言える。 【ドラえもん】さん 10点(2003-02-03 00:16:47) |
9.幕末と言う時代設定がすばらしい。時代の大波に飲み込まれた人たちの悲しさ、空しさ、美しさが、本当に良く出ていると思います。それを表現しきった山田洋次監督、俳優の皆さん又スタッフの方々に心から拍手を送ります。シンプルかつ日本映画というところで、高校生以下の年代でご覧になった方は少ないでしょう。この映画こそが、本当に名作と言われるにふさわしいものだと思います。エンディングの井上陽水の曲もよく合っていました。 【マイク】さん 10点(2003-01-21 19:21:36) |
8.感動した。何度も見てそのたびに別の感動があった。初め違和感あってテーマ曲も最後のナレーションで解決した3度目くらいの時 【ぺぺ】さん 10点(2003-01-14 17:02:30) |
7. 久しぶりに日本映画の秀作を堪能。山田洋次監督を始め、キャスト、スタッフの総力が発揮された。この時代劇のノウハウが次回作にも生かされることを期待している。 【偏見まん】さん 10点(2003-01-07 16:39:28) |
6.もう何回見たのかわからなくなるくらい見た。その都度感動するはなぜか 【りん】さん 10点(2002-12-16 23:30:49) |
5.可笑しくて切なくてほのぼのとして迫力があって美しい、マイナスのつけようのない映画でした。 【ロロ】さん 10点(2002-12-01 20:35:14) |
4.これほどの感動を日本映画で覚えた事はない。本とは12点 【貴美子】さん 10点(2002-11-30 09:11:01) |