62.レビューその③ 前半のラストシーンを劇的たらしめているのはプロットだけの活躍ではなく照明の力も大きい。この映画、「スカーレットってあまりに度を越えてわがまま過ぎるからどうしても感情移入が出来ない」という人も結構いますけど、そんな人でもほとんどの場合は「でもまああの前半のラストシーンだけは良かったかな」と思われるんじゃないでしょうか。あんなに憎たらしいと思っていたスカーレットにどうしてあそこだけは感情移入ができるんでしょうか。あそこのシーンをよく見てみると、直前のシーンでスカーレットの顔がシルエットになって、どんな表情をしてるのかが分からないようになっている。実はこれがミソ。どんなにスカーレットが嫌いな人でも、いやむしろ嫌いな人ほど「こんな状況下であのわがままお嬢様がどんな泣きっつらをしているのかが見てみたい」と思うはず。もちろんスカーレットが好きな人(私はこっちです)もやはりこの重要場面での彼女の表情は凄く気になる。そのまさに“ここ”というシーンでなんと! 顔が見えない!! いや~、賢いですねえ。これじゃあ、スカーレットの心は自分で想像するしかないわけです。でも決して押し付けがましいシーンにはなっていない。実質上は「はい、今のスカーレットの絶望的な心情を察してね」という、誘導的、洗脳的なシーンのはずにもかかわらず、まあ、これはとにかく観て頂ければ分かると思うんですが、すごく自然にスカーレットに感情移入していき易く撮られている。この時代の映画で人の顔を隠すという手法を取り入れた有名映画としては「市民ケーン」がやたら持ち上げられてますけど、私は絶対にこっちの方が頭の良いナイスセンスな使われ方だと思いますよ。だってケーンの場合は「観客の注意を喋っている人物ではなくセリフの内容に向けさせる為」という、ある意味「見た目そのまんまやんけ!」という使われ方なのに対して、こちらは「表情を見せないことこそ最強の感情表現なんだ」というお洒落な使われ方ですから。ま、ともかく「単純にシルエット効果により威圧感が増すから」とか、あるいは逆に「見方によっては『彼女の名誉を守るため』という意味合いに取れなくもない」などといった他の様々な理由などとも相まって、スカーレットを白い目で見ていた人でもここだけは「ついフッと…」感情移入してしまうようになっているのであります。レビューその④に続く…。 【バーグマンの瞳】さん [地上波(字幕)] 10点(2015-04-15 20:46:49) |
61.文学映画の最高峰。 激動の南部アメリカの大河ドラマ。 全てが正攻法で、しっかり根の生えた作品。 難点はしっかり観賞する気持で観なければならぬこと。 ながら観、ちょい観に適さない。 私の映画BEST 1 作品。 2014.01/15 4回目?鑑賞。「メル・ファーラー似ていませんか???「風と共に去りぬ」のアシュレーに。。。」のブログ発見。全く同感で、つい最近まで記憶ちがいしてました。それに新しい発見、ウォード・ボンドが若い、今回初めて判った。 何回見ても良い作品、これぞ映画の本道。絵画のように美しい映像美。ETC。 【ご自由さん】さん [地上波(字幕)] 10点(2014-01-15 22:36:38) (良:1票) |
60.《ネタバレ》 自由奔放な美しい箱入り娘スカーレット。激動の時代に翻弄され、世相に促される様に生きる強さを磨く。その強さが目に余り、周囲を不愉快にさせる事もしばしば。そんな彼女が、幻想、無償、情熱 の愛に触れ、愛される事だけでなく愛する事を覚える。そして彼女は、尚一層強く美しくなってゆく。この作品のどうしようもなく切ないのは、男性から愛されるばかりで人を愛することを知らなかったスカーレットが、やっと憶えた途端無惨に終わりを告げた愛するということを、恐れずにもう一度始めようと愛を向けた対象がタラという土地であることだと思ったのです。 【ベッカー】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2011-12-30 18:31:29) |
59.これぞ、映画の中の映画、歴史に残る名作だと思います。 最初に見たのは、数十年前、まだ字幕の漢字もろくすっぽ読めなかった子どもの頃でしたが、その後も何度となくくり返し再上映される度に見ました。また、高校の時原作の小説を読み、映画にも劣らない強い感動を覚えました。 すべてを失っても、さらにたくましく情熱的に生きようとするスカーレットには、心を打たれます。 【ESPERANZA】さん [映画館(字幕)] 10点(2011-01-26 19:29:24) (良:1票) |
58.70年近くも前にこんな映画をつくったハリウッドはやはり偉大です。しかも総天然色だ。長さを感じない、何度観ても古さを感じない、面白いというのは名作の条件かな。スカーレットという人は素直じゃないけど正直な人ね。聖女のようなメラニーももちろん素晴らしい。けれどスカーレットがいなかったらメラニーの寿命は確実に縮まっていたと思う。動と静、激しさと穏やかさという二人の女性の生き方を同時に見ることができました。どっちがいいとかいう問題じゃないのよね。私は誰に肩入れ、感情移入することなく、完全に傍観者としてこの物語を観ますね。スカーレットとメラニーの性格のちがいを見ながら、「こういうとこはスカーレットがいいな、でもこいう場合はメラニーのようになりたいな」なんて思いながらですけど。誰が優柔不断でイライラしたかって、そりゃぁアシュレーですがね。スカーレットの気持ちはわかっていたはずなのに・・・やっぱりレットでしょう、でもちょっと意地悪なのよね。勝気なスカーレットにしてみれば、なかなか素直になれないでしょうなあ。 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2009-07-25 21:01:28) |
57.《ネタバレ》 南北戦争が起こらなかったら似非レディのままで一生を終えたであろうスカーレットが戦争によってその生命力を爆発させるのが好きです。でも性格がよくなったわけではなく本質は変わってないところが教訓めいてなくて良いと思います。原作を読んでいないとわかりづらいところが少々あると思いますがさすがは映画史に残る作品なので私が言うまでもないですが一生に一度は観るべき映画かと。メラニーが少し美人すぎ感はありますが、レット・バトラーは原作者のお墨付きをもらっているだけあってカッコ良すぎです。 【HOPUKO】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-09-17 17:36:08) |
56.長い!!かなり長過ぎる!!でも、それでも飽きずに見れて、10点献上したのは、なんといってもスカーレットのキャラクターにつきる!こういう昔の映画に出てくる主人公の女性って、みんな綺麗で賢くて優しくて品があって完璧。。。なのに、スカーレットといったら・・・超自己中でワガママで冷淡な女。とにかく強い。強すぎる。その強烈なぶっ飛んだキャラクターのおかげで、何時間もかけてこの長ったらしい映画を見る事が出来ました。確かにスカーレットには共感できない人もいるかもしれない。それくらいぶっ飛んだ女だ。でも、スカーレットって、見てて飽きないの。こんなに長ったらしい映画なのに、スカーレットが出てくるシーンは面白くて見入ってしまう。それくらい人を飽きさせない強い個性を持ってる。これは映画としては大成功でしょう。この時代の一般的なレディを描いた退屈な映画よりは、スカーレットの強烈キャラが炸裂するこの映画は、見てて数倍楽しめました。 【あしたかこ】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-02-25 17:58:10) (良:1票) |
55.子供の頃楽しめた作品でも大人になって改めて鑑賞すると色褪せて見える事が案外多いものですが、この作品はそうではない数少ない作品の一つだと思います。躊躇なく満点。 【MEL】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-10-05 01:15:26) |
54.《ネタバレ》 やっとチャンスが来た~と思ってテアトルスクエアで一人で観ました。映画ファンで通ってるので、今までどう言うストーリー?なんて人にも聞けず(苦笑)勝手に、南北戦争の犠牲になる純粋な恋愛モノだと思い込んでいたんです。ところが、4時間の間、え?え?え?そうなの?こうなっちゃうの?どうして?うそ~?と心の中でスカーレットに振り回されっぱなしでした。皆さんの言う通り、ワガママで高慢ちきな女。私もずっとあの想定外の人格を好きになれないなぁと感じたけど、でも、手段や性格に難はあっても、その『強さ』に、いつのまにか憎みきれない女性だなぁと思わされていました。何でも手に入れてきたのに、愛する人の心は手に入らない。アシュレーにしても、やっと気付いたレットにしても。そりゃ勝手は勝手だけど愛する想いのすれ違いって、理屈ぬきで切ないもの。泣いて泣いて、故郷で明日考えようと言う彼女の強さ。すご過ぎです。そして、その高慢ぶりに惹かれるレット・バトラー(ワガママな女性が好きって言う男性、今もいるのかしら?(笑)余談)癖があって不思議で、怪しい眼差し。いざと言う時に助けてくれるのに、酒に溺れる弱さもある辺りがイイですよね。それにしてもあまりにも激動の人生を67年前にあんなに美しく映像化出来るなんて!BGMも素晴しかったし、現代の作品と比較出来ずに、やっぱり満点献上です。 【らふらんす】さん [映画館(字幕)] 10点(2006-01-25 00:19:33) |
53.これだけの娯楽性ドラマ性を兼ね備えた映画は他にありません。ヴィヴィアン・リーの存在感と、撮影技術は特に最高です。リメイクされないのは、オリジナルを越えられないと思われているからではないでしょうか。出来るだけ大きいスクリーンで見てほしい。 【shoukan】さん [映画館(字幕)] 10点(2006-01-23 17:41:16) |
|
52.《ネタバレ》 説明不要の超名作。 これを見ずして映画ファンは語れない。 戦前の映画だが今でも充分に通用する超大作。 テンポの良い映画なので飽きずに楽しめる。 『タイタニック』『インディ・ジョーンズ』『スターウォーズ』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』も『風と共の去りぬ』と比較すると単なる娯楽映画でしかない。 映画の素晴らしさを堪能する為の映画。 HILO **ネタバレ注意** 映画を見終った人むけのレビューです。 これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。 まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。 ハリウッドには珍しいバッドエンド。これが当時の主流なのかも。 【HILO】さん [映画館(字幕)] 10点(2005-11-12 20:11:36) |
51.ものすごく長い作品だったが、素晴らしかった。しかし、映画の長さを遙かに越えるほど、ビビアンリーの人生を感じることが出来た。映画はやっぱり最高だなー。 【マイアミバイス】さん [映画館(字幕)] 10点(2005-04-29 23:42:51) |
50.見終わってしばらくしてからもずっと胸が熱かったです。長くて古いから避けてたけど、これぞ名作。 【ネフェルタリ】さん 10点(2004-11-21 14:39:08) |
49.人間、特に女性は、「世界は私を中心に回っている!」という考えを抱くもの。これはまさにそういう映画。全てはスカーレットなのだ。だから当時の南部の白人社会がどうだとか、北部の男がどうだとか、そういう事は「南部の超お嬢様、超美人のスカーレット」の目から観た世界なので、この映画でどうこう論じるのは意味がない。ここにあるのはひとりの女性の強烈な生き様であって、それが愚かだとか我が儘だとか言うのも意味が無い。こういう女性がいて、こういう悲しみがあって、こういう生涯があった。それが全て。このヴィヴィアン・リーが演じたスカーレット・オハラは、私が映画史上最も愛するヒロインだ。どこかわざとらしいお嬢様が、物語が進むに従って、表情が険しくなり、美しさが壮絶に増してくる。彼女の顔つきを追っているだけで、四時間はあっという間。むしろ足りない。倍あってもいいぞ! 意味なく長い映画は大嫌いだけど、この作品だけは「もっと見せて!」と言いたくなる。「??」な部分も無いとは言えないが、まちがいなく珠宝の名画。私もスカーレットの十分の一でいいから強くありたい。 【ともとも】さん 10点(2004-10-22 09:34:14) (良:2票) |
48.ヴィヴィアン・リーとマーガレットミッチェルの生涯がタブってみえるほどのはまり役で名作だ。 【k4_bear】さん 10点(2004-07-29 09:02:10) |
【kasumi】さん 10点(2004-03-29 00:51:26) |
46.スカーレットのほっぺたを、ムニュウっとつねってやりたくなります。鮮やかな映像ですが眼に優しい映画です。長い(220分らしいですね)全く疲れません。かっこよい女性・・・メラニーが最高です。脳みそが映画をムシャムシャ食べるみたいな感じです! |
45.皆さんが散々書いておられるので特に書きません。名作だと思います。素晴らしい。 【ぷー太。】さん 10点(2004-03-25 20:07:17) |
44.名作の重みとでも言うんでしょうか。どこがいいのかと聞かれても答えられないんですが、とにかく素晴らしい。 【あさ】さん 10点(2004-02-26 15:41:15) |
43.ビビアン・リー演じる強烈なスカーレットは、最高に素晴らしい。ここまで強烈な輝きを持ったヒロインは他にいないような気がする。一言で言えば「うわぁ、嫌な女~」なのだが、あふれるエネルギーがそのまま空回りしているとしか思えない人生には、同情を覚えてしまう。何でそんな男に片思いし続けるのか原作を読んでみても分からないが、アシュレへの恋心はいじらしさを通り越して、狂気じみている。原作を読むと、彼女が母親や叔母たちから愛されず、成長期に包み込むような愛情を受けていないことが分かる。自分と正反対すぎる男に恋を妄想し、母性的な友人メラニーとの奇妙な友情関係を続け、本当に真剣に愛情を与えてくれる相手を愛することが出来ない。まさに心理学などでよく言われる「母親に愛されなかった娘」そのものである。そう考えると、スカーレットの行動一つ一つは痛々しい。男たちにちやほやされることで自分の存在意義を確認しているようなところとか。ただ、その痛々しさを上回る高慢さが、キャラとして強烈なのも確かなのだが・・・・・・。だが一方で、彼女はまた逆境や因習と闘うヒロインである。商才があり、自ら率先して働くことができる。行動力がある。アシュレの妹やスカーレットの妹たちが、自分では何にもしないくせに、スカーレットを非難するところなど、スカーレットと一緒になって怒りを覚えてしまう。それにしても、古いしきたりに正面から戦っていつも玉砕しているところがまた、アサハカというか、痛々しいので、私はこのスカーレット像はものすごく愛しい。理想の女性像のメラニーもいいが、やはり、何か傷ついたり理不尽な仕打ちにあったりしたときに思い出すのは、ビビアン・リーの大地に立って「私は飢えない。決して」と誓う姿だ。本当に、全編を通じて、映像が素晴らしい。ただし、原作の人物(たとえばスカーレットの息子)が一部削られているのが、原作ファンとしては複雑な気分。 |