2.《ネタバレ》 難読症である妹が盲目の老人に詩の書いてある本を楽しそうに読み聞かせている場面が一番ツボにはまって泣けました。また姉の結婚式で妹が障害を克服して詩を朗読する場面もぼろ泣きです。もうやばいくらいにツボを直撃しました。 ちゃらんぽらんな妹と仕事しか能が無い姉がそれぞれ自信を取り戻して段々輝いていく様子が非常によかったです。この映画は色んな見方ができると思います。姉妹の和解。父と祖母の和解。妹の再生、姉の再生、とくにコンプレックスの描写がとても丁重に描かれていて共感する人も多いでしょう。「女」として劣等だというコンプレックスを持っている姉が、妹に自分の男をとられてショックのあまり弁護士をやめて犬の散歩のバイトをはじめるというドロップアウトぶりもユーモアがあってすごく良かったです。妹のほうは何をやってもうまくいかないニートなのですが、障害で字も読めないのに女優になろうと夢みて挫折してしまう典型的な負け組みの女の子に見えました。そんな妹を救ったのが母の自殺事件がきっかけで、父から絶縁状態にされてしまった祖母なのですが、よく考えるとこの物語はとても内容が重苦しいですよね?それなのに暗くならずになぜか明るいと感じるのは、たぶん老人ホームの雰囲気がすごく良いせいだと思う。家もカラフルでお洒落だし、住んでいる老人たちの独特のキャラクターも味があって面白い。 ラストは姉が結婚することによりコンプレックスを解消し、そして妹は自分の得意な仕事を見つけることにより再生していきます。見事じゃないですか!現実はもっと厳しいかもしれませんが、こういう夢のある明るい映画があってもいいじゃないですか!観終えたあとはとてもハッピーな気持ちになれる素晴らしい物語でした。