1.《ネタバレ》 当時、まだバリバリのゴジラファンだった自分が、初めて怒りを覚えた作品。前作のvsキングギドラで覚えた違和感がさらに悪いほうへ行ってしまった。後に製作側の意図を各方面で拝見したところ、前作のvsキングギドラあたりから「子供連れの親子」を主要ターゲットとして再確認したそうだが、子供向けとしても稚拙すぎる。自分は当時小学生だったが、それでも「なんだコレ!」と怒り心頭だった。別所哲也演じる主人公の行動にまったく感情移入できない上(普通、主人公が復縁費用のために小美人売ろうとするか?)、ストーリーに緊張感がまったくない。「フィリピン海溝から富士山までマグマ内をゴジラが泳いできた」ってのは明らかにやりすぎで、もはや生物感もへったくれも無い。架空の兵器もデザインが悪く魅力がない(最近のゴジラ兵器は無骨すぎる)。しかし、特に絶望的なのがモスラ。海では泳いでいる感じが全くない。陸では這っている感じが全くない。モスラ(61年)のような生物感・躍動感が全く感じられなかった。国会議事堂での羽化シーンも、幻想的なシーンを狙っているのはわかるが、いかんせんセンスが悪すぎる。金粉撒けばいいと思っているとしか思えないし、山岳蘭人さんや鉄腕麗人さんも仰っているように、あの派手で人工的な着色は「生きている」ようにはとても思えない。横浜・みなとみらいのミニチュアも、当時「●億円のミニチュア」とニュースで報道されていたが、リアリティゼロで費用対効果は著しく低い。いい加減、広大ミニチュアセットを造ってその中でプロレスするのはやめて頂きたい。