5.《ネタバレ》 元々たいしたストーリー性も無く、魅力的なキャラもいない、シューティングゲームがメインである「ハウス・オブ・ザ・デッド」を映画化しようと言う発想が分からない。あえてこのゲームを素材として採用する製作衝動って何?B級ホラーを作るにしても、他に暖めているアイデアも無いのかとスタッフを問い詰めたい。ネームバリュー頼りだとしたら志が低すぎないか?
また、どうせやるならやるで、ちゃんとゾンビ映画として成立するくらい大きくストーリーを膨らませるか、それが出来ないなら、とことん「おバカ路線」で突き進むかのどっちかに徹底すべき。そのどちらにもなっていないから駄作なのよ。
いちいちアイキャッチのようにゲーム画面を挿入したりするのも場違いな演出でウザいだけ。
アクションにしても、おふざけにしても、何もかもが中途半端で、製作資金や技術力以前に、「何をメインに、どう見せるべきか」という基本的な演出センスが無い。
作品の方向性としては「ブレインデッド」を目指したかったのかも知れないが、あの作品との決定的な違いは、B級映画としてのプライドとバカ映画としての「徹底感」の無さ。
例えば教会前での銃撃戦でも、「なんでお前はロケットランチャー持っとんねん!」とか、「どこから火炎放射器出したんや!」とか、「いったい何万発撃っとんねん!」みたいに、突っ込んで楽しめるくらいに、ハチャメチャにやればいいのに、肝心なところでゾンビ映画として中途半端にリアルにしようとするから、つまらなくなっている。カンフーアクションにしても、やるならワイヤーとか使って、「マトリックス」のパロディになるくらいに派手にやらないと、アクションのショボさや中途半端さが目立つだけ。
オチにしても、「いつの間にか登場人物がゲーム内のキャラクターになっている」とか、逆に「ゲーム内のゾンビが画面から出てきて街中に溢れ出して行く」、くらいの終わり方に出来んもんかねえ、監督さん…。