3.《ネタバレ》 テレビシリーズはまったくの未見。作品に対する基本的な知識ゼロの状態で見たので、何が言いたいのか、何がメインで見せたいのか、それ以前に誰が主人公かすらも分からない、ただの「不条理群像劇」としか思えなかった。個人的には笑いのセンスもまるで噛み合わないまま。
氣志團が出ている地点で、だいたいこの作品の嗜好性は理解できる。誤解を恐れずに言えば、何の「理念」も「矜持」も持たないままに、サブカルのエッセンスのみをあっさり取り入れてしまえる氣志團のような無節操な現代人的感覚は、そのまま今作の製作姿勢や方向性と見事なまでにシンクロしている(そういう意味では、これ以上無い人選なのかも知れないが…)。
そういう分析は置いておくとして、まともに人情(友情)ドラマをやるにはちょっと小恥ずかしいので、言い訳も兼ねて、こういうコメディ形式を取っているとも思われるけど、この手の作品に共通しているのは、やってる事が「中途半端」ってこと。コメディが嫌いな訳じゃなく、要するに、どっちつかずな「ヌルい作り」が個人的に嫌いなだけ。登場人物も無駄に多く、全体的に視点があちこちブレるので余計にドラマとしても中途半端な印象を受ける。
なんでもっとバカ映画ならバカ映画として徹底できないのかなあ。例えばラスト間際で怪獣ゴミンゴが出てくるのも、あそこまで無茶な展開をやっといて、結局、戦闘に突入することも無く、ただオカリナ吹いて終わりって…。怪獣映画のパロディだとしたら露骨すぎるし、盛り上げるべきラストでそれをやってしまうのはあまりにもセンスが無い。
それこそウッチャンが巨大化して、いつものジャッキー・チェンやブルース・リーのモノマネで戦うとか、もっと無茶苦茶やらないと。
まあ、そこがまさに「理念無きコメディ」ゆえなのだが、なんか煮え切らないなあ。