3.《ネタバレ》 最近のアダルト業界では、痴女ものと人妻ものがブームとのこと。自分は何もしなくても色っぽい人妻が誘ってきたり、痴女に襲われる展開が自分からは動きたくない受け身体質の男たちから支持されているんだそうだ。
ひと昔前なら、男が奮闘して女をものにするというようなストーリーにも需要があったようだが、今の時代は男が1ミリも動くことなく棚ぼた的に女に言い寄られる官能小説やAVが圧倒的に人気なんだとか。
つまりは、ただ座っているだけで女がまたがってくれるという都合のいい展開が最近の男たちは大好きなのだ。
宮崎駿監督は、先見の明があったというか、時代の空気を敏感に感じ取ったのだろう。
まさにそのような需要に沿ったアニメを作り上げた。
それがこれ。
自分は戦闘機に乗り、機関銃をぶっぱなし、賞金稼ぎをしているのに戦争は嫌で人も殺さないという矛盾だらけの主人公。
なのに、みんなからは凄腕のパイロットとして尊敬され、ほっといても女が寄ってきてモテモテ。
アホかと。口先だけで何も努力せず、大成功だけを夢見てるニートの妄想そのままだ。
要は、何も責任を背負いたくないのである。
子供を人質にする悪党と対峙すること。撃ち殺すこと。国を捨て気ままに生きることを選んだ代償として引き受けなければいけない孤独と頼るもののない不安。
本来なら、目をそらさずに立ち向かうべき過酷な現実はコメディで巧妙に回避され、主人公はただただ責任から逃げ回るだけ。
最後の空戦も、宮崎駿は主人公の手を汚させたくないがために、飛行機を降りさせて殴り合いにしてしまったのだろう。
自分は一切努力せず、手も汚さず、カッコつけてキザなセリフを吐くだけでなぜか全てがうまく行く。
実にカッコ悪い。
カッコ悪いとは、こういうことだ。