1.《ネタバレ》 漫画なのにウンザリするくらい台詞量と物語の尺を上手に圧縮していて、オチも好感は持てるんですが、それらを凌駕するくらいのダサい演出・キャストには、かなりツラいモンがあった。
何処のチビッコ向け特撮作品やねん!と思わせるキラ対策室(確か前作の牢獄シーンもそんなカンジだったが)や、大衆の安易な描き方、メディアのもつ醜悪さがイマイチ安っぽい。
そう、ソコハカと安っぽいのだ。チープ!この上ないのだ。
キラの持つサイコさや醜悪さ、アマネのイライラするようなイノセントさが、演じる大根の甲斐もあり見事に霧散してしまった、そこが最低なまでに安っぽい。チェスシーン、回想シーン、妹号泣シーン、総監の衣装(最大といえなくも無い失笑さ)、拷問シーン、そして何よりラスト付近のキラとアマネの隙だらけ感のトリックも安っぽい。父親を生かせてしまう事(原作では半ばで死んでしまう)で、最大に何とかしてほしかった「親子お涙」も致命的なまでに安っぽかった。
大根役者を排除して特撮出身の監督を何とかすればそれらの安っぽさも何とかなったであろうに。惜しい。
唯一、レッチリのエンディングとLの最後のトリックが美しかった。救いともいえる。
この作品を観た後に原作を読み、TV版のアニメも観た。傑作だった。至極単純な設定を、実に緊張感のある展開の複雑な心理ゲームに仕立てている。一応フォローしておこう。この映画は鬱陶しいくらいに失笑させる作品だが、この映画以外の「DEATH NOTE」は失笑する暇など無い傑作だという事を。