2.この作品に対する否定意見として、「ケビンが生意気」とか「泥棒がマヌケ」というものが多いですが、個人的には、ケビンの両親の非常識な態度にこそ最も腹が立ちました。監督が「現代のバカ親の無責任さに対する警鐘」を込めて作ったのならともかく、そういう意識が無いとしたら、単に「子供のためなら、他人に迷惑をかけてもいい」という、バカ親の無責任で身勝手な行動を正当化しているだけの映画としか見えません。
また普通にコメディ映画として見ても、売りである泥棒との対決が終盤近くまで無く、予想以上のテンポの悪さに、ほとんど早送りして見ていました。肝心の対決シーンも、特にこれと言って驚かされるようなアイデアも無く、「お約束」の上にしか成立しない古臭いコントを見せられているようでした。いかにもチャップリン以来の欧米型の「古き良き笑い」ではあるものの、国民性なのか、そのあまりの発展性の無さには少々呆れます。
結局は、序盤の家族の冷たい態度も、ラストの家族愛を強調するための、まさに「設定のための設定」であり、その出来レースのような感動前提の脚本構成にはシラけるばかりでした。