1.《ネタバレ》 ビジュアルは分かり易く言っちゃうと荻上直子の『かもめ食堂』以後量産された、取り敢えず美しい風景と美味そうな食事を並べてる感じです。私は割と食べるという行為が好きなので、映画での料理の場面はついついお腹がグーッと来てしまいました。ただそういう風景とか食事シーンとかを特に求めていない人には拷問の様に詰まらない映画だろうなとは想像できます。私は食事シーンは楽しめたけど、正直そういう風景とか食事の場面とかストーリーに特に必要のないシーンは丸ごと切ってしまえとも思いました。
タイトルの通り「夫婦のあり方」が一つのテーマとなっている作品なのですが、これもどう考えても褒められるモノではないと思います。最後に法務局員から「なぜペンギン(辺銀)という苗字にしたのですか?」と問われ、歩美が「ペンギンは一度つがうと一生離れないからです。私たちもそういう夫婦になりたいと思って」と答えますが、実に素晴らしい理由だと思います。しかし、それならば劇中で彼ら夫婦に何か乗り越えるべき障害がなければ。断絶があるけど、それでもそれを乗り越えて辺銀という苗字になるなら納得も行くのですが、彼らは喧嘩をしても一晩頭を冷やしたら直ぐに仲直りしちゃう。良い言い方をすれば良く出来た夫婦なのでしょうが、意地悪な言い方をすると映画として詰まらない。これまで様々な夫婦の関係を描いた傑作映画はありましたが、結果がハッピーエンドであれバッドエンドであれ、何か決定的な断絶は描いていた。この映画はそれが感じられない。
そもそも石垣島の風景と食事の場面を丸ごとカットして、夫婦間の物語にしたら恐らく上映時間は1時間も無いでしょう。それってつまり1時間で語れるような薄い夫婦の話を更に関係の無いシーンで水増ししてるってことだと思います。とても私には良い出来の映画だったとは思えません。
美味そうなご飯と小池栄子の豊満な乳に各1点で計2点が私の評価の限界です。