2.《ネタバレ》 話しが進むにつれて
「妻がダンナを犯罪者に仕立て上げてハメるための偽装工作じゃねえか! 」
ってなって
「だったらダンナはかわいそうだな・・・ 」
ってなったと思ったら
「ダンナは浮気してたんじゃねえか! 」
っとなって
「だったらケンカ両成敗だな・・・ 」
ってなって
終盤になってくるとこれはもう
『ゴジラVSキングギドラ』的な、どっちもどっちでどっちもヤバイみたいな、やばいもん同士の戦いという様相になっていくわけなのだが
それはそれで面白かったと思う。
善VS悪ではなく
サイコ悪(妻)VS世俗悪(ダンナ)
という図式は、それなりに新鮮であった。
だが、この映画の脚本がアウトだったのは
妻の浮気夫への復讐が、偽装工作(穴だらけで超へたくそ)をして失踪し、夫を殺人犯として逮捕させて、最後は死刑にさせる(ひょっとしたら死刑にならないかもしれないのに)というかなり面倒くさい遠回りな復讐方法であったことだと思う。
「彼女はそういう面倒くさい復讐方法をするひとなんです」
って言われたらそれまでなのだが
脳内短距離スプリンターな私(つまりまどろっこしいのは苦手)からすると
「どうせバレる偽装工作して詐欺罪で捕まるようなリスクをおかすより、家も車も浮気夫の妹のバーの名義もぜんぶ妻名義なのであれば、名義人の特権をいかして全部売却しちゃって、家ナシ車ナシのスッテンテンにして追い出しちゃえば、そのほうが簡単・確実かつ即効性のある夫への一番の復讐になるんじゃないの」
としか思えなかったのだ。
ラストシーンも、夫か妻のどちらかがどちらかを殺すとか、白黒ハッキリさせて終わることなく
「これからこの夫婦どうなるだろうね~」
というモヤっとした終わらせ方であったが、こういう”後の事は観客に丸投げ方式”は、制作側にとって無難かつ手抜き(なのになんか思わせぶりで秀逸な終わらせかたに見せられる)な終わらせ方だとあえて言わせていただきたい
フィンチャー監督作品は、「セブン」「エイリアン3」「ベンジャミンバトン」「パニックルーム」など好きなものも多いが、この「ゴーンガール」「ゾディアック」「ゲーム」など、おもいっきり私としては落第点な映画もあり、明暗のギャップがかなり激しい。
ということは、これはもう監督がワルイのではなく、とりあげる作品のネタがワルイとしたほうがいいのかもしれない。
ゴーンガールは映像やテンポはとてもよかったので、うん、きっとそうだ、ネタが問題ということにしておく。