2.《ネタバレ》 ありがちな後付け設定で無理やり話を拡大しているのが見え見えな上に、脚本構成が杜撰なので、前作を見ていても各キャラの関係やストーリー展開が分かりにくい。
映画と漫画を同列に語る事は出来ないが、やはり日本のレベルの高い漫画やアニメを見慣れた目からすると、この手の映画のアクション演出のセンスの未熟さや、キャラ描写の稚拙さが目について仕方が無い。
とにかく前作同様、致命的なのは吸血鬼や人狼といった設定を使っているのに、キャラのアクションなどから「人外の者の凄み」がまったく感じられない事。
相変わらずヒロインは銃火器中心の戦いだし、使っている武器もただの銃やナイフ。銃火器ばかり使って、自分たちの持つ超常能力を活用した戦いを演出しないなら、登場人物が「人外の者」である必要が無いだろ(ちなみに「ナルニア国物語」で氷の女王が魔法を使わず肉弾戦で戦っていたのも同様の「演出の間違い」)。
現代を舞台にしてるのに、紫外線弾以外、特にハイテクな武器も出てこないし、かと言って頭脳戦や心理戦を取り入れた知的な戦いでもなく、単純なドンパチかドツキ合いが続くだけ。こんな大味な戦いのどこがスタイリッシュなの?
おまけにヒロインは自分にとって致命的な弱点の日光対策すらしていない始末。紫外線カット繊維で作ったコートや、抗UV薬みたいなギミックくらいどうして出せない?
アクション演出が下手だから、ラスボスであるマーカスや閉じ込められてた弟にもたいして「凄み」や「迫力」が感じられない。ザコ人狼も撃たれたり目を刺されたくらいで死ぬし、両種族とも人外としてのパワーやスピードが感じられない。
肝心の「混血種」もほとんど活躍してないし、戦闘シーンにおいても「人狼と混血したメリット」がまったく見られず、オリジナルと比べて何がどう変わったのか、どこが凄いのかがまったく伝わってこない。結局、ラストで「日光に強くなったよ」というだけのオチで、「種族間を超えた愛」や「混血の苦悩」といった基本的なテーマがほとんど何も追求されていない。
PS.やはり漫画では「クレイモア」「寄生獣」「ベルセルク」、小説では「吸血鬼ハンターD」といった傑作を見ているとまったく物足りない。各作品に出てくる使途や覚醒者の恐ろしさ、強さ、戦闘シーンの凄絶さなど、どれも圧倒的に上。