4.《ネタバレ》 余りにも酷い作品だったので、勢いで酷いことを書いてしまったけど、何故か心に引っ掛かるものがあったので、改めてもう1回見てみました。
この作品は所謂タイムスリップ物ですが、その仕組みが余りにもおざなり過ぎます。
最初のタイムスリップは、タイトルにもあるように地下鉄に絡んで発生します。
まあ、理論的に整合性が無いとダメとまでは言わないけど、その後のタイムスリップは地下鉄とか関係なしにかなりご都合主義的に発生する。
飛ぶ時間も場所も物語の進行上必要な都合の良さというわけで、これは余りにも酷いストーリー展開だと感じました。
人間にはいくつもの顔があり、こんなに都合の良い側面ばかりを見せられたら、誰だって良い人に見えてしまいます。
そういった側面に遭遇するに当たって、必然性が存在していれば、それは感動となるのだろうけど、こんなにも強引に良い側面だけを見せられたのでは、逆に興醒めしてしまいます。
それから、一部の役者の演技がちょっと力み過ぎ。
そんなに力を入れて喋らなくてもいいと思うんだけど、昔の人はみんなあんな喋り方だったんでしょうか。
現代人に関しては、ほぼみんな普通だったので、演出的なものだと思うけど、やっぱりちょっと気になりました。
あと、原作が古いので仕方ないのかも知れないけど、時代設定が適当です。
ヒロインは昭和39年か40年の生まれということになり、現代に生きていれば40歳以上ですが、岡本綾はどう見ても20代、主人公も昭和20年代の生まれなので、60歳前後ということになる。
この作品における現代は、今からかなり前ということになるが、既に携帯電話が一般化して普及している辺りに近年の雰囲気を感じずにはいられない。
こういった作品において、時代考証が狂っているのは致命傷に感じました。
現代が作り物という時点で、過去にも現実味はありません。
作品全体が嘘っぽく見えて仕方ありませんでした。
そして、やっぱりあの死に方は後味が悪すぎる。
悲しすぎて涙が止まらなかった。
ヒロインを殺す為、無理矢理に状況設定を固めた感じの展開に納得できるはずもなく、やっぱり初見の点数のままにしておきます。