1.序盤の広島への原爆投下映像、あれ戦後の核実験の映像の流用ですよね?こういう細部でいい加減な仕事しちゃダメでしょう、原爆ならどれも同じだと思ってるんでしょうか。仁義なき戦いは静止画とはいえそんな間違いは犯しませんでしたよ。オールスターキャストゆえの名作っぽい雰囲気だけで評価されていないでしょうか。ドキュメンタリータッチといえば聞こえがいいですが事実を再現するだけで作品のテーマやメッセージがいまいち見えてきません。映画なんてのは所詮作り話なのですから何か特別な理由でもないならばそこをはっきりさせるべきです。戦争継続に固執する軍人批判にしては軍人がカッコよすぎますし、国民の犠牲と対比するならあまりにも国民側の描写が少なすぎます。三船敏郎なんか急に平和を願ういい人に変わってませんか?まさか軍人たちの苦悩に共感しろという話なんでしょうか?そんな義理は私たち一般市民にはありませんよ。やってることは見知った人間同士のほぼ馴れ合いに近い内ゲバですもの。そもそも肝心の事件の描写がしょぼすぎませんか?狭いセットの中でひたすら役者が喚いているだけで銃撃シーンは窓ガラス割るだけで終わりです。この作品が作られた時には既に日本映画黄金時代は過ぎ去っていたというのには納得です。結末がわかりきった話なのでどう展開するかハラハラしようもありません。それっぽいナレーションで締めて終わりというのもちょっと…。ただ佐藤勝のエンディングテーマは名曲です。