4.序盤は回想シーンを挟み込み、主役二人の設定を判りやすく説明していて、
好印象を抱いたのだが、まあまあ観れたのは結局その部分だけだった。
この映画はタイトルにもなっている歌から作られたと思うのだが、
歌詞全般が心情を綴ったものであり、小道具は「古いアルバム」しか出てこないので、
ストーリーに広がりを持たせること自体が難しかったのだと思う。
とにかく文字通り、泣きのシーンや演出ばかりで、本当にセンスが悪いなと思ってしまう。
個性的なキャラのおばあちゃんも、まったくうまく使われていない。
ラストの展開も安直で、素人でも考えつきそうなレベルの脚本にはびっくりした。
しかもそれまで涙の大安売りを見せつけられているので、この程度では感動できない。
「涙そうそう」とは涙がとめどなく流れることで、しょっちゅう泣くことではないはず。
役者を泣かせてもらい泣きを誘うより、観ている者の心を揺さぶるようなお話を作る方が先。
そういうシーンを観れば、別に役者が泣かなくても、自然と涙が溢れてくるもんである。
「涙そうそう」だけは、やっぱりいい曲だと感じた。