1.《ネタバレ》 最近は「実は猫でした」みたいなファンタジーもゴロゴロあるわけだから、オハナシのあまりの非現実っぷりに当然こちらもその手のオチだろうと
高を括って惰性で眺めていたが、まさか人間だったとは、、。
映画開始から、主演男女のドアップづくしにうんざりし、観れば判る心情をご丁寧に説明する無駄なモノローグ(待ち人はこないとか、ショックだったとか)や劇伴に辟易し、そもそも味付けが濃い目なのは当然の居酒屋料理を引き合いに出して「味覚が変わった」みたいな台詞を言わせる作り手の食音痴ぶりに落胆させられたりするわけだが、根本的に恋愛の劇自体が悲しいほど薄っぺらいのである。有川という名詞がある時点で、推して知るべしだが。
ただ、ヒロイン高畑充希が大きく口を開けて美味しそうに杓文字についたご飯を頬張るショットはいい。食事を疎かにするアイドル映画が多いなかで、
ここでは料理をおいしく頂く表情の魅力が、かろうじて二人が抱く好意の裏付けということで説得力を持たせている。