1.《ネタバレ》 機械が人間に牙を剥く!なんて、こすられすぎてツルツルになった設定をあえて採用したからには、よほど斬新な切り口を見せるのかと期待したが、目新しさは見当たらず、もうひとこすりしてみました的な残念な仕上がり。
設定の作り込みが決定的に浅く、視聴中は「そんなこと対策してるだろ」と何度もつぶやくことに。
制作者側は日本人と日本政府にかなり偏った考えを持っているようで、社会の描き方、日本人の描き方にリアリティを感じられなかった点も低評価の理由。
東日本大震災でも略奪騒動を起こさなかった日本人が、AIの暴走が始まって数時間の内に略奪をはじめるなんて話に、観客は真実味を感じるだろうか。
終盤、真犯人が犯行と動機を告白するが、実は世界中の人が見てました!なんてありがちな逆転劇を展開するが、これは密室・少人数の場だからこそ有効な仕掛け。それを何十人もの前で行ってしまう馬鹿馬鹿しさに、開いた口がふさがらない。
まさしく崩壊しているのはAIではなくこの映画そのもの。
このような駄作が芦名星の遺作となってしまったことは残念でならない。合掌。