4.《ネタバレ》 溶岩の表現は良く出来ていたけど、災害パニック映画としてスケールが小さく、ストーリー展開の起承転結もあまりにもよくあるパターンで、その先が読めまくるご都合主義的な展開の連続と、露骨な自己犠牲精神による感動の押し付けにはうんざり。
主人公は元より、爆発直前まで他人の子供を探す娘、何かに取り憑かれた様に治療を続ける女医、ボランティアで駆けつける獣医、他人を助けるため溶岩に飛び込んで死ぬ消防隊員など、「自分の命も顧みず人助けをする」という、ご立派な人間ばかりで、その「自己犠牲精神」の押し付けが癇に障る。特に女医の言動は、人助けをしている自分に陶酔しているとしか思えない。まるで、ニュースでよく見る「自己実現のために人助けが目的化しているボランティア」を見ているような白々とした気分になる。
登場人物にも白人以外に黒人やアジア人を適度なバランスで配置したり、ラストの子供の「みんな同じ顔だよ」というセリフなど、いかにも「アメリカ人はこういう災害時も一致団結して対応し、人種差別もしません」、というプロパガンダを狙ったとしか思えないほどあからさま。先日のハリケーン被害に対する対応とのあまりのギャップに失笑を禁じ得ない。