3.私の最も嫌いな映画のひとつである。
映画はおもしろさや楽しさを与えてくれるもの、夢や希望を与えてくれるもの、あるいは考えされるもの、自分のためになるものでなければならないと思う。しかしこの映画は私にとっては、いずれもないように思う。
私はこの映画を3回見た。1回目は何十年も前、友人(先輩)に勧められて、2回目は世間の評判を確かめたくて、そして今回がこのレビューを書くためにである。
1回目は三船俊郎演じる役者が嫌になり、半分で見るのを止めた。ビデオを先輩に返す時どうだったか尋ねられ正直に答えた。先輩は怪訝な顔をして「こんなにおもしろいのに」と言った。それがきっかけだったのか、先輩との間は気まずくなった。
2回目は、それからずいぶん後、世間の評判と自分の感覚との違いを埋めるため、自分でビデオをレンタルして、ラストまで辛抱してみた。しかし、あまりにも長く感じられ最後の方は大変苦痛だった。
今回はDVDで途中をいくらか早回しして冷静に見たつもりだったが、やはり評価は上がらなかった。
設定が安易ではなかろうか、見ず知らずの農民のために命をかけて戦う武士がいるのだろうか。哀れなのは農民よりも野武士、彼らは仲間が次々と殺されていっても、ただひたすらに部落を襲うのだろうか。それも作戦も何もなしで・・・。
緊迫感はあるようでまるでなし。ただ野武士の集団が次々と殺されていくだけ、何がおもしろい?
7人の侍たちは寄せ集めの集団、どうしてチームプレーや連係プレーができよう、集団作りをする暇はなかったはずだ。