1.《ネタバレ》 キャメロン・クロウが監督として何が優れているのか、私はいまだに理解できないのだが、この作品でも、観念的なだけの人物造型や、机の上で考えただけのような登場人物の言動という習性は治っていない。なおかつ、一番まずいのは、動物園を題材としていながら、肝心の動物の出し方や映し方が、人間側の都合の良いようにしかなっておらず、単なる小道具の1つにしかなっていないこと。なので、ドラマはなくなり、作品構造としても底の浅いものになってしまっている。また、動物の飼育や園の経営のディテールを見事に素通りしているのも、対象に対する食い下がりが感じられない。