1.《ネタバレ》 「死霊館」で強い印象を残した人形の経緯を描いたスピンオフ的な作品。
1969年のシャロン・テート殺害事件を起こしたカルト集団を絡ませてくるあたり「ローズマリーの赤ちゃん」をどうしても連想させ興味がわくのだが、いかんせん序盤以降はあまり怖くない。中盤あたりは退屈に思えて眠気さえ覚える。ホラーで眠気を覚えたらどうしようもないのだが中盤以降でいちばん怖かったのはミシンだ。ミシンをあれだけ強調すれば「ああ、刺さるんだろうな」とわかるのだがその直接的な恐怖にオカルト的な恐怖が勝てていないのが問題だ。
そしてラストの自己犠牲。たしかに娘はいなくなった。しかし、自己犠牲的な行動をするほどに追いつめられている状況にも見えず、そんな段階で「私が死ぬ」「いえ、私が」とやられても困惑しかないわけで。しかも自ら犠牲になったのは本屋で知り合ったただの知り合い。もちろんその女性にはその人なりの想いがあっただろうが明らかに描き足りていないため唐突な印象しか受けない。題材としては面白そうだったのに残念。