1.《ネタバレ》 評判がそこそこ良いことを確認して鑑賞した。確かに楽しめた。感動もした。しかしどうしても、映画としてどうなんだろうと考えざるを得ない。
ただでさえMCUは一見さんお断りになってしまっている。過去作を観ていないと、この魔法おっさん誰?となるだろう。だがMCUはそういうもの、連続ドラマだと定着している。したがって、こちらはブラック・ウイドウまで鑑賞済みである。
それが今回は、さらにスパイダーマンの過去作も観ておく必要があるらしい。残念ながら私は未鑑賞である。今のところ、あまり観ようとも思っていない。
そういう私から見れば、マルチバースから出現した敵もスパイダーマンも、この人誰?だ。ほとんど過去の経緯の描写が無いので、何の感情移入もできない。普通の人間に戻す?ふーん…てなものだ。普通の人間の頃を知らないのだから。
そして、それぞれのスパイダーマンの、敵との和解を感傷的に見せられる。予習を怠った私は置いてけぼり…それってどうなんだろう。MCUならMCUで完結してもらいたい。
もう一つは、バッドエンド。スパイダーマンとして二作連続のバッドエンド、しかもかなり物悲しい結果。劇中でチームプレイの大切さを話していたわりには、自分から孤独を選ぶというのが解せない。せめてネッドとMJに話して聞かせるシーンでフェードアウトとかにして欲しかった。
しかしまあ、それは我慢しよう。しかしスタークの後継としての位置づけはどうなってしまったのか。何しろハッピーですらピーター・パーカーを覚えていないのだ。あれだけアイアンマン後継を煽っておいて、今回は突き放して終わり。
しかもスパイダーマンは親愛なる隣人として活躍は続けていても、エンディングを見ると帰ってこないらしい。帰ってくるのはストレンジだ。(大人の事情?)
これがMCU版スパイダーマンのエンディング?あまりにひどくないだろうか。
最近のMCUは迷走が過ぎる。キャップとアイアンマンの不在故か、御大スタン・リー不在故か、はたまたスポンサーのためか、そろそろ見切りをつけたくなるレベル。一度仕切り直した方がよいのではなかろうか。
強い言い回しをするならば、MCUを追ってきたファンのうち、今回は過去スパイダーマンに思い入れのない人を切り捨てたわけで、他方では新作のレビューによれば、ディズニープラス未契約者も切り捨てようとしているようだ。そういった姿勢の先にマーベルや映画の発展は、本当にあるのだろうか。
この映画の評価とは別な話かも知れないが、それでもこれらのことを考えると、私はどうしても高得点を付ける気にならない。したがって申し訳ないが、この点数で。