1.《ネタバレ》 原作には癖のある美人女医以外は登場しなかった会津藩出身者をフィーチャーして作ったストーリーでした。今年のNHK大河で会津藩の不遇を改めて見せられたこともあって興味が湧きましたが、描写自体はとても浅いです。単純に薩長を中心とした明治政府への復讐という割り切りでもあれば良かったのですが、中途半端に政策に難癖をつけるあたりがお子様向けという印象でした。
個人的に「るろうに剣心」の面白さは「幕末の引きずり感」にあると思っています。原作でそれが最も活きるエピソードは新撰組出身の斉藤との絡みですが、本作の会津出身者には斉藤的な引きずりが感じられません。結果として、ちょっと訳アリのテロリストを平和を愛する主人公たちが鎮圧する見え方になります。それは原作で何度もやったことの繰り返しなので、「るろうに剣心」として新しいことがひとつもありません。そもそも、敵ボスキャラを人格者にして、明治政府側に黒幕的な悪役を入れるプロットのありきたりに落胆します。