1.《ネタバレ》 シリーズ六作目ではあるが、これは今まで観た中ではもっともツッコミどころが満載の問題作でした。唐突に「私を一晩買ってください」と夜鷹の様に迫った女が武家の出と見破られて狂四郎からニヒルなセリフを浴びせられて自害する。この手の捨て台詞は今まで散々女たちに吐いてきた狂四郎でも、さすがにその言葉で死に追いやるとビビっちゃうんでしょうか、あんがい普通の人間じゃんどこがニヒルなんだよ!そこから岩代藩の世継ぎの少年に出会うまでが怒涛のというか超ご都合主義の脚本には失笑させられます。ご都合主義と言えば嵯峨三智子と仲間たちが繰り出す狂四郎抹殺作戦のデタラメぶりで、毒蛇に提灯爆弾そして尼の色仕掛けと笑わせていただきました。どれも狂四郎にはハナからお見通しだったわけですが、「喰える女はとりあえずいただく」という本性には狂四郎も逆らえないみたいです(笑)。本作から円月殺法を披露するシーンでは刀の残像を見せる演出が始まったみたいですが、太陽の光を反射させて相手の眼を眩ますのが奥義としか思えないのはどうしたことだ。まあ円月殺法はウルトラマンのスペシューム光線みたいなものだと納得するしかないですね。やたらと流血シーンがあったりチラッとですが女優の全裸カットがあったりというアダルト指向を感じさせてくれますが、まるで同じ大映のガメラ・シリーズみたいに少年というか子供を前面に出したストーリーテリングはチグハグの極みです。