1.地上派テレビ放送だし、147分という本編の長さを考えると、かなりのカット(それもきわどいシーン)がされていたのかな。たぶん、そのせいもあると思うのですが、残念な出来。このシリーズの魅力は、ラスベガスとかLAとかの成金世界とも、貴族的な「上流階級」世界ともちがう、NYという街だからこそ可能な微妙なバランスの上になり立つセレブリティ文化(日本語的な「セレブ」ではない)の世界なんだと思うので、成金趣味満載のアブダビ旅行はその魅力を自ら放棄したようなもの。「シティ」の魅力を描けないSATCなんていうのは、単なる下ネタコメディ映画でしかないのです。出演者のなかには50オーバーまで出てきて、アヴァンギャルドなSATCなら「アンチエイジング」や「美魔女」とはちがう、現代の「女」の老い方をちゃんと描いてくれるのではと密かに期待していたのですが、そっちには向かっていないようです。カットなしのDVDで見直してちゃんと評価しなおすべきなのかもしれませんが、その時間ももったいない。