5.《ネタバレ》 ガリレオシリーズは好きで見ていたが、特に映画にする必要を感じなかった。
しかも、テレビ版より出来が良いとは思えないような作品を。
家族愛をやたら前面に押し出して泣かせようとしているのだが、そんなことが好きで見ていたシリーズではない。
ガリレオに向かないセンチメンタリズムが鼻についてシラけてしまう。
土曜ワイド劇場じゃないんだから。
しかも、その親子愛がとても感情移入できないような代物。
犯人は保身のために刑事を死なせているわけで、その親子愛を押し付けられたところで共感なんてできない。
好感の持てるのは娘の罪を被った仙波だけで、犯罪にからんだ利己的な三人の親子愛には嫌悪感すら抱く。
切なさを売りにしたい制作サイドの下心は見えるが、どうにも仕方がなかった同情すべき犯罪という切なさがないのだ。
「人生を捻じ曲げられようとしている者」は成美かと思わせて、実は少年であったことは巧いミスリード。
「すべてを知った上で自分の進むべき道を決める」ことを説く博士と、知らぬ間に犯行に協力させられていた少年のやりとりは良かった。