4.《ネタバレ》 どうしてこんなに面白くないんだろう、とつい考えてしまう点では、これも「考えさせる映画」なんでしょうけど。
結局のところ、誰も何も「決断しない」のが、つまらんのかな、と。最初からいきなり不条理世界が始まっていて命を賭けたゲームが展開され、主人公ですらまるで背景がわからない存在なんだから、ここで次々死んでいく連中はこの作品の中では単なる「死体」でしかなく。主人公を含む中心人物たちもおよそ背景を有さない単なる「駒」となっていて、その割りにはグズグズと悩んでみせるのが、見ててさほど面白くない。悩みよりもここは、恐怖、じゃないのかしらん。
で、グズグズ悩んだ挙げ句に、急に「真相を見切った」と、我々見る側にわざわざ不必要な了解を求めてくる。納得なんてのは後でするもんであって、それをなぜ、先に納得させようとするのか?
だもんで、ここには「理解」はあれど、「決断」がまるでない。これの繰り返し。ただただ、事件が起こり人が死に、だけど決定的にサスペンスが欠けていて。
全編通した一貫性もなく、これはもう、ただの思いつきの羅列に過ぎないんじゃないでしょうか。