2.仕事そっちのけで女の尻を追っかけてるやさ男の、とてもぬるいラブストーリー。
近年では珍しい男性視点の恋愛物で、草食系男子と言えば聞こえはいいけど、
要は去勢された牡牛。ヒロイン側の、愛を信じない女という陳腐な設定がまた笑える。
彼女がなぜそれほど頑な態度を取るのか、心情描写はあえて描かれていないので、
当然感情移入はできないのだが、まあ単なる我が儘な子供というだけ。
そんな女に熱をあげた主人公の姿がホントに情けない。ラストはまたていよくまとめていて、
二人とも人間的成長があった、意義のある交際でした、ということなんだろうけど、
高校生や大学生じゃあるまいし、まともな恋愛をしていないんだから、
そんなことは万に一つもあり得ない。どうせならボロ雑巾みたいにされりゃいいのに。
映画「卒業」を小ネタにしたり、時系列の演出など工夫も見られるが、
テーマとキャラ設定がアンバランスすぎて、とても退屈な90分だった。
主人公が恋愛経験ゼロ、醜男の童貞という設定だったら、まだ納得できたのに、
結局は男が主人公でも、現代の我が儘な女性たちに媚びを売っている映画だということ。