2.《ネタバレ》 元々あった小説や漫画等を、他人が焼き直し映画化となり、作品として発表する、という行為は、大体上手くはいかない例が多い。
描き手の意図するものを100%そっくりそのまま読み手が理解するということは、不可能だと思う。読み手が映画監督というプロであってもそれは然りだ。
だから、これまで数えきれない原作ありきの映画が製作発表され、多くのファンはその出来映えに一喜一憂されるのだ。
しかし、また繰り返されていく原作ありきの映画製作。
まぁ、それが面白い面白くないは別として元々いるファンだとか多少の話題にはなるので、商業的に見込まれるジャンルなので、きっとなくなりはしないしないんだろうけど、焼き直しにもほどがある時がある。今作は、残念ながらそっちの部類で原作と比べてはいけない出来だと思う。
扱うテーマが少年法や、被害者家族、加害者の人権等、もう10年以上も世論の異議を醸し出されているものなので、監督の個人的な意思も加えたくもなるのであろうが、
この件に関しては、やはり十人十色で違った感覚の人々が考えを重ね合わせても、未だ答えが出ていない。だからこそ、他人が描き手の書いてない部分勝手に解釈し、その方向へ持っていくのはどうか、と思う。
原作自体が、そのテーマに対し読み手に考えされる意図で作られた話なので、淡々と手を加えず作るべきだったのでは?と思う。
加害者に死ぬほどの後悔の念を、だとか個人的な答えが今作で出してしまった部分が最大のデメリットになったのだ。まぁ、あくまでこれも個人的な意見に過ぎないのだが。
作品的価値は正直0点か1点。演者の熱演に免じての3点といったところ。
原作未読であったり、これがこの監督のオリジナルというのなら、点数は変わってくるのだが、原作を知ったうえで観た人は、なんか変な違和感の残るラストだったに違いない。