1.《ネタバレ》 戦後間もない頃に実在したニセ札事件の映画化という題材は非常に面白そう!と期待していたら・・何か全体的にテンポがないというか、盛り上がらないまま終わってしまったという感じです。ある山奥の村の連中が仲間を集いニセ札を作るという過程なんか、聞いただけで何かワクワク、ハラハラする筈なのにどうも平坦なままトロトロとシーンを流しているだけでに感じます。しかもニセ札作りに加担するメンバーの動機もあやふやでメインで語られる動機が『ニセ札作り面白そうじゃないか』って何よ?一応、動機の一つとして村が貧乏で金銭面に苦労しているセリフとか描写は少しあるにせよ、あくまで『触れている』程度なので、他の村人がどこまで苦労しているか丹念に見せておらず、よって当初はニセ札作りに否定的だった主人公の倍賞美津子の先生が後でニセ札作りに加担しなくてはいけない程、突き動かされるものが伝わらず、『何となく』で始めてしまった印象に思え彼らに感情移入なんか出来ません。終盤の裁判シーンでの動機を問われるシーンは何かキレイ事っぽい言葉や国家へのちょっとした皮肉めいたセリフを言ってお茶を濁し、あやふやにしたあげく法廷でニセ札をばらまいて傍聴人がお金に群がる姿を滑稽に見せていますが、あたかも作り手の『してやったり』という意図が見える展開はどう見ても映画全体の結末を『逃げ』として使っただけ過ぎず、何も解決してない始末・・これこそ滑稽でした。あと一つ気になったのは現在の場所を字幕で『○○の家』とか説明していますけど、あるシーンで『紙漉きの○○の家』と字幕が出た後すぐに人物が紙漉きの作業しているから、全く字幕表記の意味も成してないという間抜けっぷり。字幕がないと観客が分からないと思ってるのだろうか・・映像で理解出来るのに邪魔な字幕で解説されるとウザいんですけどね。残念ながら題材の面白さを大して生かしてない、面白くない映画という結論になりました。最後に主題歌が何故、ASKA?