2.《ネタバレ》 期待せずに見始めたけれど、オープニングの出来になんだかワクワクしてしまいました。で、ワクワクしてしまったテンションはゆっくり落ちていきました。うーん・・・僕が思うに、ロメロがゾンビを生み出した発端は、「人間性」を失って他人のことなどオカマイなしに自己の欲求に貪欲な人々が増えていく社会に対する風刺だったんだろうなと思ってます。要するに文字通り「テメーら人間じゃねぇ!」な奴らをゾンビとして描き、そいつらがみるみる拡大してマトモな人間が少数派になって居場所を失っていくことを描こうとしたんだと思ってます。そこに今どきのサエナイ引きこもりというキャラを持ってきたのは、いいんじゃないかなと思ってました。いじめゾンビに溢れた学校から避難して、マトモでいるために不登校になったみたいな(笑) で、その主人公の描き方のノリは『キック・アス』のサエナイ主人公と似てるなーと思いました。けれど『キック・アス』でも思ったけれど、現実にサエナイおたくや引きこもりな青年達は増えたかもしれないけど、そういうヤツを主人公にしてどれだけ共感を誘おうってのサ? と思わなくもないです(サエナイおたくに共感できる人が圧倒的多数になる世界も怖い)。もっとフツーのヤツでもいいのに。ラスト、結局「家族」とかそういうこと言ってウマく締めたいのだったら、僕が思うにあの主人公が実の親とか兄弟とかと、どんなわけでどれだけ冷めていたのか、劇中ナレーションで語らせるのではなく、きちんと具体的に描写して欲しかったです(タラハシーの幼い息子の描写削ってでも!)。そこをきちんと提示してこそのラストでしょ。