1.《ネタバレ》 おそらく夏頃中心の撮影だったのだろう。
俳優のスケジュールの都合もあるだろうから仕方ないにしても、
完全に落葉しているはずの時期の場面にイチョウが紅葉していたりと
冬の場面の撮影にどうしても違和感が強い。
本作の場合、月日の設定は重要な要素なのだから季節感の演出には
もう少し気を遣って欲しい。仮にも恋愛ものでもあるのだから。
季語に当たるショットを後から少し撮り足すだけでも違うだろうに。
騙しの伏線張りに手一杯の作り手にそこまで望んでも仕方ないが。
映画の中盤、産婦人科から出てきた前田敦子を松田翔太が迎えるシーンに吹く
風と木漏れ日がようやく映画らしさを伝えるのだが、同時にここでようやく
この映画がシネスコサイズだったことに気づかされる画面の貧しさも何ともはや。
原作由来とはいえ、往時のヒット曲垂れ流しも風俗アイテム羅列も
ただたださもしく見えてしまう。