1.《ネタバレ》 池井戸潤の小説では、短編やオムニバス形式の話で、ちょくちょく同じようなネタが形を変えて登場することがあるので、今回も他の話から少し借りてきてストーリーを変えたこと自体は別に良いのですが、でも、改悪になってましたね。
最後に、西木が明白な詐欺を仕掛け、しかもそれを北川が認識していて見逃すってのは、ありえないでしょ。原作者は、製作には絡んでいたようですが、脚本チェックはできなかったのかな?
でもまあ何よりも、あまりにも映画としてのダイナミズムに欠ける平板な画面にげんなりでした。「七つの会議」のようなやや癖の強い演出が唯一の解というわけではないけれど、でもあちらのほうがはるかに面白みがありました。今作はカメラ割りや構図にほとんど何の工夫もなく、これならテレビドラマで十分、いや、ネット配信されたものを携帯で観る、で十分でしょう。
いくつかのシーンで、例えば机の上に置いた書類の束がうまく整わなかったり、手汗で書類が手にくっついたりなど、こんなのリテイクしろよ、というのが放置されているのも、気になってしまいました。