4.《ネタバレ》 色々な意味で凄すぎる映画でした。
邦題の通り、出演者の9割は変態(というか、サイコ)な人々ばかりです。
吹き替えで見たせいか、声優さんたちの素晴らしさを、改めて実感しました。
原題は「Ordeal=厳しい試練、不愉快な体験」だそうです。
ラストのオチには一瞬、戸惑いを隠せませんでしたが、
なるほど、確かにこの原題に沿われているようにも感じました。
主人公には、序盤から多くの不愉快な出来事が起こり、
次第にそれらがエスカレートし、厳しい(不条理)試練へと変化していきます。
これは同時に、鑑賞者にも不快感をシンクロさせているのでしょう。
しかし、終盤に主人公がグロリアの成果てを目にし、
後の場面で彼がとった言動にこそ、本当の意味があるのではないかと思いました。
逃げはしないが助けもしない、しかし相手の望む言葉は口にする。
これこそが「Ordealからの解放」を示しているような気がします。
つまり『赦し』ではないかと。
鑑賞者に対しても「目」という五感の一つを通して見えた不快感(Ordeal)を、
あの幕の下ろし方でも納得(赦し、解放)できるか?と、
あえて訴えているようにも感じました。
目を背けたくなる描写がたくさんあるのに、
思わず食い入って見てしまう、不思議な作品。
でも、私には赦しとかどうでも良いくらい不快感しか残らなかったので、この点数です。