3.《ネタバレ》 “戦う白雪姫”のコンセプトの是非は置いておくとしても、その世界観を構築するのにVFXにのみ頼りすぎです。柱となるべきストーリーの広がりやキャラを立たせる役者の技量等、どれも足りていません。やはりヒロインのミスキャストの責任は大きい。K・スチュワートには残念ながら、スノー・ホワイトの資質たる雪のような清らかさ、純潔さを体現するだけの演技力はありませんでした。歩き方すら、姫君のそれではない。
そもそも、脚本自体“殺さない=生かす象徴”のプリンセスとして唯一無二の存在意義を散々謳ってきたのに、先陣切って甲冑まとって戦いに出るというのは矛盾しまくりで、誰も指摘しなかったの、コレ?と首を傾げざるを得ない。オッサンと幼なじみ、と王子役が二人いるのも中途半端に不要な配置です。
ダメだらけのこの映画で唯一、水準以上の仕事をしているのがS・セロン。悪の女王の風格たるや、誰もが評価するところでありましょうが、皮肉なことに周りがポンコツだらけなので彼女一人浮いているという、バランスの悪さにもなってしまっています。
白雪姫のアレンジならば、同年発表の“白雪姫と鏡の女王”の方が良作です。制作の心意気がそちらには込められています。お口直しにどうぞ。