1.《ネタバレ》 これは酷い。やみくもな取締りに対する反発、逃げ場にもなるグレーゾーンの有用性、投票率の矛盾など、おもしろい視点もあって期待したけれど、学校に乗り込んで公開レイプしようとするあたりから一気にシラケた。小川が屋上から別の校舎に飛び移った時点ではもうゲンナリ。
現代的、社会的な問題を扱っているように見せかけているが、扇情的で底が浅い。専門的なことを中途半端にちょっとカジって、メッセージ性を持たせたドラマに仕立てたように思える。おそらく現場に立つ人間が見れば呆れるのではないか。教育の現状にメスを入れるなら、もっと徹底的に真面目に掘り下げてほしかった。おちゃらけているのかと感じる部分さえある。それも最初から『ごくせん』くらいコミカルに振り切れれば、それはそれで楽しめるのだが、これは変に真面目な問題提起やメッセージ性をチラつかせているので、結局どっちつかずの印象。
手の掛からない良い子が一番ワリを食っているというリアルな現実を、しっかり掘り下げれば面白かったのに、校内公開レイプなんてエロゲーみたいなノリを入れたものだからブチ壊しに。衝撃的な内容にとの制作意図が優先して見え、中身が伴わなくなってしまった。漫画を原作とした連続ドラマの映画化で、漫画もドラマも未見なので詳しいことはわからないが、映画だからセンセーショナルにしたのだろうか?
学園ものは好きなジャンルで、すぐに感動して評価も甘くなるのだけれど、あまりのリアリティのなさ、心に響くもののなさにガッカリ。どうして映画化されるまでに評価されたのか、逆にドラマや漫画のほうを確認してみたくなった。他のレビューを見ても、ドラマのときのほうが良さそうだし。