2.《ネタバレ》 薄すぎる壁で仕切られたアパートのお隣さん同士の物語。カメラマンの男とフラワーデザイナーの女の二人を繋ぐのは男の珈琲豆を挽く音と、女のフランス語の発声練習と、それ以外には生活で時々起きる出来事の音。
もう少しそれらを感じていたかったが、序盤から乱入(闖入?)してくるシンゴの彼女とやらのせいで雰囲気はめちゃくちゃに。人の部屋に強引に押し入りギャーギャー喚いて散らかして、、、聡に追い出された時はとてもせいせいしたのに、まさかの謝ってもう一度迎え入れる展開。なんで??あーもう、って感じです。なので中盤まではもう見ていられない、ひどい映画という印象でした。
しかし彼女が部屋を離れてからは文字通り落ち着いた展開に。聡はシンゴのことに関して段々落ち着きを取り戻していく一方、七緒のほうは変な男に騙され不穏な空気になっていく。そんなお互いの雰囲気の変化も隣同士には良くも悪くも伝わって、「風を集めて」を歌うまでの流れはけっこう好きです。
ずっと一緒だった隣人が実は故郷の同級生だったなんて展開は、好き嫌い分かれそうですね、私は嫌いじゃないですが。会えるかと思ってアパートへ駆けて行って、でもやっぱり留守で、あーもう会えないのかと思わせての、部屋で口笛吹いて待ってましたなんて、しかもそれで会えたなんて二人にとっては幸せすぎる展開ですね。
どうでもいいですが、シンゴ。名前だけで最後の最後まで本人は劇中に現れず、そこまで彼に関する情報だけはたくさん入ってくるのですが、いざ出てきたら聞いてたような繊細な感じが全然しない見た目通りのチンピラ風のにーちゃんでガッカリ。キャストとか、もしくは役作りがもっと何とかならなかったのかな。