1.《ネタバレ》 先ほどレイトショー1200円で鑑賞してきたところです。
丁寧な絵作りはジブリ水準以上。今回は声優(俳優)の演技も違和感は無いのだが、映画としての完成度はどうだろうか。「こびと」と人間の関わりを描きたいのなら、脚本の組み立てが不足だと思う。「こびと」絶滅の危惧が人間側のせいと言いたいのか。お手伝いさんの性格の悪さの描画は、月並みなテレビサスペンス並で見てて痛い。(家政婦は見たシリーズのよう?)
「こびと」1/15スケールの世界感を、水の表面張力、音響でそれらしく表現しようとしているのは理解できたが、「こびと」の動き、筋力の表現に違和感を覚えたのは私だけでは無いはず。というのも、全く人間スケールと同じ仕草で、すべての動作(ロープやツタを使って上る、飛び降りる、レンガによじ登る etc.)を表現していたからに他ならない。
物理的に言えば、体重はスケールの3乗分の1となり、筋力は筋の断面積に比例した2乗分の1になるため、「こびと」たちの動きは相対的に月面重力以下の世界の表現が正しいことになるのです。まあ、「こびと」と人間が出てくる時点でリアリティをどこまで表現すれば良いのかという議論はあるのですが。
ともあれ、アリエッティ達に、未来少年コナンの動きを与えて欲しかった。
その方が、この小人の世界観にリアリティと躍動感が与えられたはずです。
アリエッティは可愛かったのですが、メッセージ性、物語性ともに
水準以下でしたので、ジブリ映画といえ、少々辛口に4点と評価しました。
次は是非、宮崎監督の「風の谷のナウシカ」のようなメッセージ性の
高い作品を作って下さい。期待してます。