3.《ネタバレ》 色々とスキャンダラスな話題も多い監督さんですが、やはり才能のある人なんだなぁ、と実感させられましたね。
子供が原因で親達が喧嘩するという、それだけの内容で映画を一本撮ってしまうのは凄い事だと思います。
ただ、完成度の高さに唸らされる一方で、どうしても「面白い映画」とは思えず、残念でした。
何せ本当に延々と大人達が喧嘩しているだけですからね、この映画。
子供時代、夫婦喧嘩する両親を目にした時の居心地の悪さを思い出してしまいました。
ポイントとしては、やはり登場人物が男女四人だったのが大きいかなと。
この展開であれば、途中で絶対に夫婦同士の和解、仲直り、相互理解が訪れるはずだと予想していたのですが、それは微妙に外れ。
互いに理解し合うキッカケが掴めたかと思われた矢先に、結局はその二人で結託して、他の二人を攻撃するという、男二人VS女二人の構図となってしまう訳です。
その変化が面白いとか、国家間の争いにも通じる皮肉になっているとか、そういった解釈で楽しむ事も出来たのでしょうが、自分としては「まだやるのかよ!」と呆れてしまう気持ちが強かったですね。
そんな中で、子供達はとっくに仲直りしている事、安否が気遣われたハムスターも元気である事が分かるエンディングに着地する辺りは、お見事。
それでも、肝心の大人達は罵り合ったままで終わった以上、どうにもスッキリしない後味となってしまいました。
「戦争映画を愉快痛快な内容に仕上げるのは間違っている」という主張が存在しますが、この映画に関しても「戦争もとい喧嘩を描いた映画なのだから、観ていて不愉快なのは当たり前」という事なのかも知れませんね。
映画が終わった後の世界では、子供達と同様に親達も仲直り出来たと思いたいところです。