1.《ネタバレ》 成瀬巳喜男監督の代表作らしいが、自分には良作とは映らなかった。身寄りの定まらない女の不幸な人生描写に創作物としての見どころを感じなかった。終戦直後の世相をテーマにしているとも思えない。なぜ一人の男に執着しているのかも分からない。一途な女の心情の浮き沈みはしっかり演出さているが、なぜ一途なのかは説明されない。女は「一途」が当たり前の時代だったのか…。男は多くの女を相手にぐだぐだと揺れ続けるが、それにも特に決着を付けずに終わる。リアルなのかもしれないけれど、どう評価してよいものやら…。当時は、こんな泥沼映画が希少価値だったのだろうか。好みのタイプではないけれど、病死する直前の高峰秀子は、はっとするくらい奇麗でした。