8.《ネタバレ》 【気を削がれる場面】①物語は、王が、ある赤ん坊が将来自分を殺す(王位を簒奪)という予言を受ける運命説話。映画も一人の子が生まれ悪の女王を倒すという予言で始まる。なのに、最後まで子は赤ん坊のまま。何の活躍もしない。あの子がどう特別なのか?。
②ウィローの旅の目的は、人間に赤ん坊を返すというもの。人間に返したら、ブラウニーを支配する妖精が赤ん坊を奪って、ウィローに守護を託す。魔女に会いに行ったら、動物の姿になっている。次の旅は良い国王の国へ行くこと。到着したら誰もいない。いちいち流れが中断される。赤ん坊を拾ったウィローが、仲間と出会いながら、悪い魔女を倒す旅に出る単純な話で良い筈。
③ウィローの最初の旅の仲間は途中で帰ってしまう。だったら最初から出さなければ良い。
④妖精は魔法の杖を魔女ラゼルに渡して一緒に旅をしろと言う。何故自分で渡さないのか。そもそも妖精は赤ん坊を自由に連れ戻す能力がある。だから赤ん坊が危機になってもハラハラしない。
⑤風来坊マッドマーディガンは檻の中。赤ん坊を預る条件で助けられるが、赤ん坊はすぐに奪われる。その場面は省略。マッドは赤ん坊を探しもせず、酒場で年増と不倫。最も頼りになる旅の仲間なのだから、もっとましな挿話にすべき。
⑥マッドと悪の女王の恋が不自然。告白されただけで恋に落ち、母を裏切るだろうか。伏線として母の悪政を批判する場面が欲しかった。
⑦悪の女王は、赤ん坊の予言は信じたが、娘が自分を裏切るという予言は信じなかった。何故か?
⑧悪の女王が、赤ん坊の魂を奪う儀式が無駄に長い。闇夜から朝になっている。儀式無しで殺しちゃだめなのなら、その理由を説明せよ。
⑨悪が支配する世界。支配される民衆はそっちのけ。最後に民衆が蜂起すれば良かった。
【感想】退屈な話。特殊能力のある仲間が一丸となって悪を倒すのなら面白いが、みんなばらばらの方向を向いている。マッドは成り行き、娘は恋、ブラウニーは道案内、ラゼルは復讐、ウィローは赤ん坊。人食い犬や怪獣が彩りを添えて何とかもたせている。戦闘も魔法合戦も先が見え見え。ウィローが手品で敵ボスを欺くのは良かった。村での手品の伏線が効いている。サブストーリは、ウィローが魔術師見習いから一人前の魔術師に成長する話。折に触れ勇気を見せているが、大して活躍していない。最後はラゼルに魔法の本をもらってお終い。すっきりしません。