4.《ネタバレ》 誘われて行った試写会にて。男としての「プライドと偏見」に基づいた独断を少しばかり。
この映画はラブストーリーですが、デートムービーではないです。カップルではなく「『ブリジットジョーンズの日記』をおもろいと思う女性」にオススメしたいです。「ブリジット~」もこの作品も原作は同じですが(「ブリ~」は原作を現代風にアレンジ)、前者はコメディ・こっちはラブストーリーという決定的な違いがあります。しかし狙っているターゲット(独身F1層?)は同じかと。で、独身M1層に属する俺にとってはどうだったかというと、おもしろみもなにもないただ苦痛な映画でした。
一言で言い表すと、「色狂いの一家が目の色を変えて金持ちの独身男性を探す映画」です。登場人物はみんなどこかマイナス方向にズレているように描かれていて、魅力に乏しいです。ヒロインとヒーローも最初は例外ではなく、皮肉屋のヒロインが、金持ちだが愛想の悪いヒーローのことを一方的に誤解し毛嫌いします。
一方でヒーローはヒロインに惚れるのですが、残念なことにその理由は明らかにされません。で、最後はお約束どおり、誤解が解けて晴れて婚約!に至ります。しかしその動機は「金持ちのヒーローは実はいいやつだったということに気付いたから」でしかなく、ふたりが惹かれ合うに至る繊細な描写はほとんどなされていません。あくまで「金持ちであること」が婚約の前提にあるため、「金持ちでええやつやったら誰でもええんかえ」と、自分にとっては感慨深いものではなかったです。
「ラブアクチュアリー」の製作者が絡んでいるだけあって、複数の登場人物を集約させてストーリーを展開していく流れはなかなかでしたが、そのせいで世界が小さくなってしまい、前述のように設定もよくないので感情移入するには至りませんでした。こういった少女マンガのようなデキた話にどこまで首をつっこむことができるか、がこの作品の評価のボーダーラインではないでしょうか。
というわけで、4点です。上映後、ハンカチを持って目を腫らしている女性を見て「やっぱりここまで温度差が違うもんなんやなぁ」という実感を持てた、という意味ではいい映画でした。
【追記】キーラナイトレイのうなじには10点をあげたいです。