3.《ネタバレ》 監督の映像へのこだわりは部分的には感じられ
ましたが、全体的には果たしてこれで満足したのだろうか、と
思ってしまうほどちぐはぐだったと思います。
戦後間もない時代の雰囲気を出すのが今や難しかったとは思う
のですが、病院坂、古い家並み、ススキの原、おんぼろガレージ
などの舞台がかみ合っておらず、継ぎはぎだらけの印象は拭えませ
んでした。
犬神家では金屏風が金色に見えないと文句をつけて撮影を延期し
て作り直させたという情熱は失せてしまったのでしょうか。
皆さんもおっしゃっているように、そもそもこの原作自体が大衆
向けの映画にするのにふさわしかったのかどうか。
あまりにも複雑な家系図と様々な要素をてんこ盛りにし過ぎた内容
は一度観ただけでは理解できないと思います。
最後の荒唐無稽な犯罪の再現フィルムを長々と見せられるのも正直
辟易とさせられました。