2.《ネタバレ》 トム・ハンクスの監督作品な訳ですが、どうも俺様っぷりを発揮してしまったといったところでしょうか。トム・ハンクスばかりが目立つ、彼以外の扱いがやたらぞんざいな感じで、それはヒロインのジュリア・ロバーツにすら及びます。ジュリアは大事な役どころな筈なのですが、映画が中盤に至っても冒頭から何ら変化のない状態で延々と更年期障害的イライラを見せるばかり。その上で「酔った、色々あった」という理由で唐突に教え子であるトムに積極的に抱き付きキスをするという超展開でその違和感にポカーン。トムの生活ばかりを追っている状態なので周囲の描写がひたすら唐突だったり雑だったりする印象なんですよね。明らかな伏線だと思った事がちっとも実を結んでゆかず、なので集団のドラマとして盛り上がるべきところがまるで盛り上がってゆきません。同じ大学、講座の生徒達に与えられたハンパな伏線の出来損ないみたいなモノは一体なんなのやら。辛うじて伏線が回収されるのは「醤油」くらいのモノです。コメディとしてクスリと笑える程度のものはありますが、ロマンティックとかハートウォーミングとか、そういうのを期待すると意外なまでのユルさ、ペラペラさにガッカリって感じです。予告編から浮かぶ「どうせこういう映画なんだろうな」って安直なイメージ、そこにすら到達できない感じの残念な作品でした。でも、この映画の最大の問題はトム・ハンクスのメイクでしょうねぇ。ドーランべったりみたいなフラットなメイクでまるで被りモノみたいな不自然さ。正直なところキモいです。決して衰えを見せたくないという監督にして主役の俺様っぷりがそうさせてしまったんでしょうかねぇ・・・。