4.《ネタバレ》 新解釈と言いつつ、基本は『三国志演義』ね。で、キャラや設定のデザイン関係は『真・三國無双』シリーズ頼り。桃園の誓いから赤壁の戦いまでを描いてみせました、って点でもなんかフツーっていうか。『レッドクリフ』フツーに持ってきたよね?みたいな感じもあるし。
要はキャラが面白い、会話が面白い、ってところがキモなんだけど、そこがつまり毎度の福田雄一ワールドなワケで、そこにウンザリしちゃう人間にはなんの価値もない映画よね。アタシ的には嫌悪感を抱くほどでもなく、笑える時は笑える、って程度なんで、まあこんなモンでしょう、みたいな。ただし佐藤二朗のねちっこい芸風は全く笑えないのだけど。今回はそこがそんなでもなかったのでまだマシ(何しろ董卓なので出番は最初の方だけだし)、でも代わりにムロがねちっこかったわね。
安いアクションシーンとか、肝心のところを省略しまくりとか、そういう部分をツッコんでも仕方ない、って程度の映画。でもただのネタ集状態で、殆どのキャラに流れが存在しないので退屈しちゃった。ドラマにも物語にもなっていなくて、どのキャラもオチてないの。その生にケリが着いてないのね。上っ面だけを羅列した状態のモノに、映画的感動なんて求めるだけ無意味なんでしょうけどさ。
最大の問題は渡辺直美の扱いかしらね。今時酷いルッキズム。っていうか正確にはルッキズムを笑おうとしつつ、そこに堕しちゃってるカンジなのよね。広瀬すずをオチみたいに出した事でおかしくなっちゃった。彼女をブス扱いする事で今の時代の価値観も絶対視してないのよ、ってスタンスのハズが、当時(というかこの映画の世界)の価値観を笑うだけのシロモノになっちゃってるのよね。渡辺直美のままに美しく散らせる事が必要だったのよ。彼女には彼女だけの美しさがあるのだから。
そこら辺の福田雄一のセンスとそれを許してしまう出演者の意識、そこに問題があると思うので減点ね。